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15- I- 0035 201 5 年 8 月 2 8 日
株式会社日本格付研究所(J C R)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
ト
ル
コ
共和国
(証券コード:−)【据置】
外貨建長期発行体格付 BBB−
格付の見通し 安定的
自国通貨建長期発行体格付 BBB−
格付の見通し 安定的
■ 格付事由
(1) 格付は、8 千万人近い人口を擁しE U に隣接した中東最大の国民経済、並びに、堅実な財政政策と厳格な 銀行監督に基づく公的・銀行・家計部門のショックへのバッファーに支えられている。他方、格付は、低 い貯蓄率と恒常的な経常収支赤字に見られるマクロ経済不均衡、多額の対外ファイナンスニーズと国際金 融市場への依存、不確実性を増す政治・社会情勢に制約されている。格付の見通しは安定的である。 15 年 6 月の総選挙では、02 年以来政権を担ってきた公正発展党(A K P)の獲得議席が単独過半数を下回っ た。選挙後の交渉では連立政権樹立に向けた合意に至らず、本年 11 月に総選挙が再び行われることとな った。現時点で再選挙の結果やその後の政治の展開を予想することは難しいが、仮に政権の不在が長引け ば、マクロ経済不均衡是正に不可欠な構造改革が遅れる事態も否めない。とは言え、主要各党の経済に対 する課題認識は概ね一致しており、経済政策の方向性が大きくぶれる可能性は低いと見られる。懸案の経 常収支赤字は、金融政策やマクロプルーデンシャル規制の効果もあり、14 年には GDP 比 5.8%と 13 年 (同 7. 8%)から改善した。ただし、足元では、イラクやロシアといった地政学的要因及びユーロ安を背 景に米ドル建で見た輸出額が減少し、油価下落による輸入額減少の効果を大きく減じるなど、経常収支赤 字 の 改 善 の ペ ー ス は 落 ち て い る 。 15 年 に 入 り 、 政 治 要 因 な ど も あ り 、 通 貨 リ ラ の 対 米 ド ル 為 替 相 場 は 20%以上の減価が進んだ。とは言え、対ユーロではほぼ横ばいで推移、国内物価上昇率も高いため、実質 実効ベースで見ると、これまでのところは経常収支赤字の規模から見て説明可能な範囲での調整と見るこ ともできよう。対米ドル為替相場の急激な減価は、米ドル建借入主体の債務負担増加を通じ金融システム にストレスを及ぼす可能性もあるが、銀行部門の為替のネットオープンポジションは資本の 2%程度、家 計部門は外貨借入禁止、企業部門は外貨収入がある若しくは大企業のみに外貨借入が事実上限定されてお り、これまでのところ銀行部門の不良債権比率に悪化の兆しは見られていない。政治の不確実性、地政学 的 要 因 、 米 金 利 の 引 上 げ 見 込 み な ど 、 経 済 を 取 り 巻 く 環 境 は 厳 し い も の の 、 年 間 輸 出 ・ 外 貨 準 備 の 45%・77%(14 年)に達する国内金融機関の対外借入の借換えは、支障なく続いている。今後、信用力 を維持・改善させるためには、短期的には、市場の信認を損ねない形での金融政策の実施やマクロプルー デンシャル規制の積極的な活用、機会を捉えての外貨準備の積み増しなどが、また、中長期的には、貯蓄 率の引上げ、国内産業の生産性向上、投資・事業環境の改善、金融・資本市場の育成といった構造面での 対策の推進が求められる。J C R は、当面、政治・社会情勢の展開が経済政策の方向性に与えうる影響を注 視し、必要があれば格付に反映していく。
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織やイスラム国(IS)との対立が表面化。政治・社会情勢は緊張感を増し、現在、先の見通しにくい状況 となっている。
(3) 経済は、14 年時点で、GDP が中東最大となる0. 8 兆米ドル、一人当たりでは 10, 404 米ドルという水準。 人口は 1. 3%(10∼14 年平均)の割合で増加しており、実質 GDP は 05∼14 年の過去 10 年間に平均 4. 3% の成 長を遂げ た。輸出は GDP 比 28%( 14 年 )と欧州諸 国に比べ ると相対的 に低い 。国民総 貯蓄率が 14. 9%(同)と低く、国内総投資率 20.3%(同)を大きく下回っており、恒常的に経常収支赤字を計上し ている。同赤字は海外からの資本流入で埋められており、リーマンショック後には世界的な金融緩和を背 景に、非居住者による債券への証券投資と国内金融機関による対外借入が急増。14 年末時点での対外借 入総額は、同年の輸出(財・サービス)の 183%、同時点の外貨準備の 316%に達した。経常収支赤字、 対外借入の元利払額及び前年末時点での短期対外債務残高の合計が、14 年には輸出(財・サービス)の 103%、外貨準備の 178%に達するなど、毎年の対外ファイナンスニーズが多額となっている。
(4) 国内の銀行部門は、リーマンショック後の国内外での金融緩和を背景に、近年、貸出を大きく加速。国内 銀行部門の貸出残高は、09 年末の GDP 比 41%から 14 年末には 71%まで上昇。調達面では、その間、預 金残高は GDP 比 54%から 60%までの拡大にとどまり、対外借入への依存度を高めた。銀行部門の預貸率 は、09 年末の 76%から 14 年末には 118%まで上昇した。とはいえ、国内銀行システムは当局による厳格 な監督下に置かれており、健全性を維持している。14 年末には、自己資本比率(C A R)16.1%、不良債権 比率 2. 9%(グロス)・0. 8%(ネット)、流動比率(3 ヵ月以下の流動資産/ 3 ヵ月以下の流動負債)107% を記録。また、国内金融機関の外貨建借入額は増えているものの、通貨スワップの積極的な活用により国 内銀行部門の為替のネットオープンポジションは資本の 2%程度に抑えられている。家計債務は GDP 比 20%強にとどまる上、家計の外貨借入は禁止されている。企業向外貨貸出も、外貨建収入を有す又は 5 百 万米ドル以上という規制により事実上大企業に限定されていることから、為替相場の変動による銀行シス テムへの影響は限定されている。実際、15 年に入り対米ドル為替相場が 20%以上減価したにもかかわら ず、15 年 6 月末時点での銀行部門のC A Rは15.4%、不良債権比率(グロス)は2.9%と概ね横ばいであ る。
(5) 財政は、03 年財政管理法に基づき、規律ある運営が続けられている。政府は、09∼10 年には、リーマン ショック後の景気下支えのために歳出を大きく増加させたものの、基礎的財政収支自体は黒字を維持した。 その後11∼13 年には、基礎的財政収支を大きく改善。14 年の中央政府基礎的財政収支・財政収支はそれ ぞれ GDP 比 1. 6%、▲ 1. 3%を記録。基礎的財政収支の黒字維持により、GDP 比で見た公的債務(E U 基 準一般政府債務)は漸減を続けており、14年末の公的債務残高は GDP 比 33%となった。政府は 15∼17 年の中期財政計画でも、基礎的財政収支の黒字幅拡大(GDP 比 1.2∼1. 8%)により、公的債務残高を 17 年末までに GDP 比 29%までさらに低下させることを目標として掲げている。
(担当)内藤 寿彦・仲川 聡 ■ 格付対象
発行体:トルコ共和国(Republic of T urkey) 【据置】
対象 格付 見通し
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格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2015 年 8 月 25 日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:藤本 幸一
主任格付アナリスト:内藤 寿彦
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、J C R のホームページ(http:/ / www. jcr. co. jp)の「格付方針等」に「信用格付の種類
と記号の定義」(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本 件 信 用 格 付の 付 与 にか か る方 法 の 概 要 は、 J C R の ホ ー ムペ ー ジ ( http:/ / www. jcr. co. jp) の 「 格 付 方針 等 」 に 、
「ソブリン・準ソブリンの信用格付方法」(2014 年 11 月 7 日)として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等) トルコ共和国(Republic of T urkey)
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての J C R の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、J C R が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・格付関係者が提供した経済・財政運営方針などに関する資料および説明
・経済・財政動向などに関し中立的な機関が公表した統計・報告
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
J C R は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
発行体または中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、当該方針が求める要件を
満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. 非依頼格付について:
本件信用格付は格付関係者からの依頼に基づかない信用格付である。国に対する信用格付である場合を除き、依
頼に基づく格付と区別するため格付記号の後に「p」を表示している。格付関係者からは、信用評価に重要な影響を及
ぼす非公表情報を入手している。
10.J C R に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、J C Rが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、J C Rは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、J C Rは、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。J C R は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、J C Rの格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。J C Rの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。J C Rの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、J C Rが保有しています。J C Rの格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、J C R に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■NR S R O 登録状況
J C R は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating O rganization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。
■ 本件に関するお問い合わせ先